井上麻里奈*首

彼女の首は僕に似ている。井上麻里奈が小顔かつ撫で肩であるために、その首の長さが強調されるとか、それが均整のとれた身体の中で目立つとか、そういうことはどうでもいい。無防備に晒された長い首(=人体の急所)が、まるで生命の象徴―肥大化した生感帯とでも呼ぼうか―のように我々の目に映り、それに触れて、ともすれば破壊して、みたいという欲求を喚起することも無視はできないし、首が逞しく妖艶な蛇や男の精力を吸い取る妖怪ろくろ首などのように思え、それに肉感的なエロティシズムを感じてしまうこともあるかもしれない。だが、それらも同じく、だ。井上麻里奈の首がエロいのは、なにより、彼女の首が僕の首に似ているからなのだ。我々、ナルシストにとって、フェティシズムの対象は自身である。だが、それを外部に、単なる思い込みでも、見出してしまうこともある。それが我々が彼女の首に惹かれる理由である。主観的にすぎる文章だろう。だが、フェチを他人に解説するなど!(由籠)