名塚佳織*肩

「今日も元気にショルダーファック!」
 名塚佳織スレにて、初めてこの言葉を見た時には衝撃を受けた。敢えて漢字に直すならば、肩姦であろうか。しかも、今日も元気に、である。毎日の日課なのだろうか。
 名塚佳織は、そのイノセントボイスと清潔さを感じさせるヴィジュアルで現在の若手女性声優の中でも群を抜くと言ってよいほど、無垢なるイメージをまとった人物である。小顔に比して大きな目、どこかエスニック風に深い彫りとはっきりした顔立ちがキュートな印象を与える。更に身長160cmの良いスタイルと完成された西洋人形のようでさえある。
 初めはそういった均整に目を取られてしまうかもしれない。しかし、決して忘れてはいけない。そのバランスを、きっちりとつなぎとめる土台。それは何と言っても、どっしりと広い、彼女の肩幅である。
 細身の身体は、幅広い肩へと拡散し、あまりに美しい逆三角形をなす。その上に整った小顔が収まっているからこそ、彼女の均整は成り立っているのだ。
 同時にその安定性充分の肩幅は、見る者に安心感を与える。彼女はよく、「ガタイが良い」と表現される。時に大きな存在に抱かれ包み込まれたいという我々の甘美な欲望は、そのどっしりとした身体を希求している。そこから伸びた太い腕も、きっと抱きしめられ心地抜群である。よく見れば利き腕の方が微妙に太いという筋肉の証も、通にとっては堪らないところだ。彼女はまさに、アニキなのである。
 見えなくなるほど遠くへボールを投げれる強い肩がうらやましくて男の子になりたいと望んでしまう必要は、もはや彼女にはないのだ。男の子に同一化せずとも、彼女は文字通りに男性と肩を並べて存在することができる。かつてこれほどまでに、女性の自然性を十全に実現しえた身体はあっただろうか。
「ショルダーファック!」とは、彼女の自然的身体を前に圧倒された時の、賛美と帰依の言葉である。(喰)