あげますよ。

こんにちは。あなたのわたしです。
夏コミまで1週間もないですね。というわけで熱い要望に応えてか応えてないかはわかりませんが、再販予定のないVol.1からいくつかレビューをUPしていこうと思います。谷部はこんなことやってますってことで。もしよければ1日目 金曜日 東地区Bブロック 01aで待ってます。

アイドルマスターXENOGLOSSIA

 アニメがまともな作品性を有しているか否かの識別は実のところ簡単だ。キャスティングの重要な部分にチャレンジ、サプライズ起用があるかないか。既存の枠組みでは説明できない部分があるかどうか。これだけである。それだけの違いが、製作者がどれだけ真摯に自らの頭を使って考えたのかを残酷なほど如実に示してしまう。ヒロインにアニプレックスイチオシの井上麻里奈、主役に声優アワード新人男優賞の柿原徹也、兄貴分にいま流行の小西克幸、などというキャスティングは、例えばコマーシャリズムの産物である。『天元突破グレンラガン』を作品として褒め称える人間には、何かが見えていない。
 だから、井口裕香を主演に抜擢した『アイドルマスターXENOGLOSSIA』が作品として真摯に何かを追求しているのは、火を見るよりも明らかなのだ。櫻井智の保護者役、堀江由衣の情念キャラこそ近年のトレンドだが、田村ゆかり中原麻衣、ゆかなあたりの起用法はトリッキーの一語。『舞- HiME』チームのトレードマークたる進藤尚美の関西弁はご愛敬だが、にしても静留とは一線を画す千佳子の蓮っ葉さには声優の可能性をきちんと追求する姿勢が見て取れる。特筆すべきは能登麻美子高橋美佳子の起用法だ。これは『神魂合体ゴーダンナー!!』及び『超重神グラヴィオン』からの引用。サンライズが暫くロボから離れていた時期に、ロボットアニメの灯を絶やさずにいてくれたのは、AICとゴンゾに他ならず、両者のこの時期のロボットアニメの代表作に対する、これは素敵なオマージュだ。直近の『LAP』から小清水アイドルを引用するのも、素晴らしい同時代感覚
 大抜擢のメインヒロイン、安定感のある実力派の助演陣、しかもその起用の一々に意図と意味があり、ゲーム版からのキャラクターイメージの継承と変更も納得がいく。いい意味で優等生的な傑作声優アニメ。(郁)

がくえんゆーとぴあまなびストレート!

 「まっすぐゴー!」の割にはまっすぐではないキャスティングである。初期設定は音響監督・本山哲というよりはスタチャに由来するものであろう。だがそういうメーカー主導のくせしてバランスが考えられている。全体的な印象としては天使性の高さが上げられる。まずは筆頭、堀江由衣。そこに密やかに付いていくのが井上麻里奈。平野もさっきぃも若手ではそれなりの天使性だとも思うが、しかしその中においてまさに要となったのは野中藍であろう。彼女が作品の中心にいたことにより、その高天使性声優陣の中において高低が発揮されたメリハリのある布陣となったのだ。野中藍センターというトリッキーさが、しかし最終的にはユートピア的なまっすぐさに反映されている。
 やはりユートピアンにとってはスタチャアニメこそが僕らの青春であるのだろう。これからもこれまでも。(宮)

クレイモア

一見、『クレイモア』のキャストは面白くない。信者だけは常にアレで素晴らしいと賛美する桑島法子を除いては、朴璐美高山みなみ大原さやか豊口めぐみ久川綾篠原恵美井上喜久子折笠愛長沢美樹三石琴乃と、豪華ではあるが、読めてしまう面々ばかりだ。きっと、貴方はとても退屈でなんの発見もない豪華声優陣アニメを想像しているだろう。だが、この中で、最もいつも通りだったのが桑島法子だ、と言ったのならば、どうだろうか。あの桑島法子が、である。落ち着く事、普通にやる事を拒絶し続け、素っ頓狂な演技プランを次々披露するのが生き甲斐の、止まったら死ぬ鮪のような、いつまで経っても苔の生さない永遠の転石小娘が、である。静かに狂う篠原恵美、生真面目で健気な三石琴乃、気弱でおどおどした久川綾など、中堅声優の他では聞けない芝居が目白押し。奇襲といえばこれほど奇襲な声優アニメもそうはない。セラムン世代必聴。(郁)

キスダム

 最近の実力派の若手内中堅どころを揃えてみましたよ感では音響監督・明田川仁に並ぶものがいないと思うのは私の妄想であろうか。主役はここ最近の京アニなどでも大人気の小野大輔、内に外にキャッチャーとしての才能を発揮しすぎの中村悠一、そしていまや実力派の水樹奈々、スタジオ以外にも最近愛されてき始めた遠藤綾などこれだけでもわかる。
 ここでは水樹と遠藤についてまず語る。奈々ちゃんといえば奈々ちゃんは歌が素晴しいよ派によって不当に演技の実力が貶められていることで有名だが、しかし聴け、無意識的にも二人のシュウを手玉に取る、その妹・(スタジオで愛される)遠藤すらも凌駕する力を。逆にその対比としてこれまでのビッチ感を緩和させられ逆に純粋な女性として立ち現れてきたのが遠藤綾である。もちろんその女性の対には両者すかした声優でありながら熱い小野と静かな炎、中村の対比がある。バランス感覚を養うにはこれほどのアニメもあるまい。明ちゃんかわいい。(宮)